書道

 

学校でも書道の授業があるくらい有名な技法です。

文字の親しみやすさと道具も少なくていいので人気です。

一回だけしか描けない、修正ができないので、集中が求められる技法でもあります。

今では文字だけではなく、この技法で絵を描いている芸術家もいます。

道具も費用も少なくて済むため、子供から大人まで幅広い層で親しまれている。

 

書道は日本古来の筆記用具である、毛筆と墨を用いて、

漢字や仮名文字などを芸術的に表現する日本の伝統芸術の一つです。

 

元々は中国で昔から発達していて、それが日本に入ってきて、

独自の発展を遂げて、今では色んな流派が出て来るまでに成長しています。

 

書道は、芸術品としても多くの人に親しまれています。

日本の伝統・文化の1つである書道を教えてくれる教室は全国にたくさんあります。

趣味として書道を学ぶ人もいると思いますが、

最近ではテレビや雑誌に若手書道家が登場し、人気を集めています。

 

ここでは、「デザイン書道」も含めて紹介していきます。

 

必要な道具

 

筆は高い物から安い物までたくさんあります。

毛の種類の違いと、筆の大きさで値段が変わってきます。

 

筆の毛の種類は3種類あります。

 
 

 【剛毛】(ごうもう)

硬い毛です。

芯のある力強い線を書くのに適しています。

 【柔毛】(じゅうもう)

やわらかい毛です。

しなやかで流れのある文字表現に向いています。

仮名文字などに使われます。

 【兼毛】(けんもう)

剛毛と柔毛を混ぜたものです。

いろいろな書体に対応でき、書きやすいので、初心者の方におすすめです。

 馬(うま) 光沢、粘り、弾力があります。天尾に比べて柔らかいです。太筆の大半が馬毛を使っています。馬の尻尾(しっぽ)の毛(天尾)弾力があり、硬く、高級な性質の毛です。    
 イタチ しなやか、細い、弾力あり、柔らかい、鋭い、ネバリあり、墨含みがいいです。小さな動物なので採取できる毛が短いため、小筆、細筆として使われ、値段も少し高めです。仮名、調和体、漢字など、幅広く使えるので人気があります。    
狸(たぬき) 毛先が硬く、弾力性があります。トメ、ハネ、ハライ等が美しく表現できます。毛先に力を込めて書きたい時などにはいいと思います。    
 羊(ひつじ)   墨を含みやすく、耐久性があるため、長く使用できます。柔らかいために、初心者には扱いにくいかもしれません。毛の長さがあるため、大きな作品や、草書、行書に向いています。  
 猫(ねこ)   猫の背中の部分の毛を使います。力強い粘りがあります。採取できる毛が短いため、小筆に使われています。仮名や面相筆(日本画用の筆)などに向いています。  
 鹿(しか)   鋭い、荒い、弾力性がある、墨の含みが良いです。筆の先端に使うことは無く、筆の腰(根元部分)として使用されます。  
 むささび    柔らかい、独特の粘りがある、毛先に味があります。  

 

 

墨(すみ)

 

硯(すずり)

硯の種類 特徴
端渓硯(たんけいけん) 鋒鋩(ほうぼう)の粒子が、細かく均一になっているので、硯の中でも一番良いとされています。
歙州硯(きゅうじゅうけん) 鋒鋩の粒子が少し粗く、凹凸で不揃いなので、早くすることができます。
雨畑硯(あまはたけん) 鋒鋩の粒子サイズは不揃いですが、整っているため、均一な墨液を得ることができます。

 

 

硯の選び方のポイント

1.硯面に触れたとき、手に吸い付くような感触があるもの

2. 一度息を吹きかけてみて、その跡が簡単には消えないもの

3. きれいな色をしているもの

4. 爪で軽くこすってみて、適度に跡がつくもの

 

硯のすり方

最初に何滴か水を硯に垂らしておきます。

卵を持つように墨を軽く持ち、優しく、自然に、力を抜いて、

マルを描くように磨りこんでいきます。

水分の量で濃さを調整していきます。

 

墨汁(ぼくじゅう)

書道紙

中国産の「唐紙(とうし)」と、日本産の「和紙」に分けられます。

和紙はデリケートなイメージがあると思いますが、唐紙は和紙よりも弱い作りになっています。

けれど、その分墨が染み込みやすく、書道の味わいとも言える“滲み”や“すれ”などがキレイに出ます。

唐紙には宣紙(せんし)という種類があり、中国産のものを「中国画仙」と言います。

宣紙はワラや竹、桑で作られています。

中国画仙は、薄くて滲みやすい紙です。

その滲みの度合いで書道の作品が美しいものになったり、反対に駄目なものになったりもします。

和紙にはいくつかの種類がありますが、その中でも書道には「画仙紙」と呼ばれる紙がよく使われます。

日本産の画仙紙は「和画仙」と言われ、厚みがあり、あまり滲まないのが特徴です。

墨が紙の上に溜まるため、墨本来の発色が楽しめます。

呼び名 サイズ (センチ) 特徴
全紙(または全判) 70×136.3 一般的なサイズ
半切(または半折;はんせつ) 34.8×136.3 全紙の幅半分のサイズで、一番使われる
一枚半 70×204 全紙の長さ1.5倍のサイズ
全紙聯落(ぜんしれんおち) 53×136.3 全紙の幅約4分の3
一枚半聯落 53×204 一枚半の幅約4分の3
八尺聯落 53×242.4 二×八(60.6×242.4)の幅約4分の3
半紙 24.2×33.3 一般的な書道用紙

 

楮はクワ科の植物で、成木は約3メートルもの大きさに生長します。

古くから和紙の原料として使われ、長くて太い繊維が特徴的です。

三椏

三椏はジンチョウゲ科の植物で、枝が3つに分かれています。

繊維が短く、木目が細かいので、和紙の仕上がりは光沢のあるものになります。

雁皮

雁皮はジンチョウゲ科の植物で、和紙の原料の中では一番良質と言われています。

繊維が短く細く、木目も細かいため、滑らかな光沢紙になります。

 

和紙の漉き方

  1. 1.和紙の材料を数時間煮て、アク抜きをし、繊維を柔らかくします。
  2. 2. 柔らかくなった繊維を臼でつき、短い繊維にします。
  3. 3. 繊維と糊(トロロアオイ)、胡粉(ごふん)と呼ばれる焼いた貝殻を砕いて作った白色顔料を槽に入れ、よくかき混ぜます。
  4. 4. 液体状になったら、竹製のすだれですくい上げ、余分な水分を落とします。
  5. 5. すだれに残った薄い紙を取り板に張り、自然乾燥させたら和紙の出来上がりです。

 

下敷き

下敷きの厚さですが 薄いとごわごわした感じがして書くにくく感じることがあります厚みがあるほうが 書きやすいです。

文鎮(ぶんちん)

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人気の書道家

森大衛

バラエティー番組『笑っていいとも!』に出演し、注目を集めています。また、子供向けに書道についてやさしく解説して本も出版し、好評を博しています。作品の良さだけではなく、気さくで親しみやすい人柄も人気の理由です。

武田双雲

大河ドラマ『天地人』をはじめ、映画の題字や「美空ひばり」「泉谷しげる」「遊助」など芸能人の題字・ロゴを数多く手がけています。師匠は母・武田双葉で、代表作には「人生」、「波」、「種」などがあります。

紫舟

大河ドラマ『龍馬伝』の題字や化粧品メーカーの広告の文字を担当するなど、多方面で活躍しています。流木などを筆代わりとすることも多く、そこからは何とも独特の書体が生み出されるのです。

柿沼康二

書道家であり、現代美術家でもある。書道をアートの世界まで引き上げたと言われる作家で、代表作にはNHK大河ドラマ風林火山」や、2008年の映画「アキレスと亀」(北野武監督)などがある。